2016/11/13

The Beach Boys - I Just Wasn't Made For These Times (駄目な僕)〜楽器編〜

 さて、I Just Wasn't Made For These Timesの楽器、ボーカルともコピーが完了しました。コピーだけしたって何も面白くありません。コピーした音を録音、ミックスして、完成した時に、ようやく耳コピの醍醐味が味わえるのです。これはオリジナル曲が完成した時の喜びとはまた違います。なんと説明したら良いのか分かりませんが、とにかく違います。
 Logic Pro9で音を作っていきます。入っている楽器は先日購入したPet Sounds 50周年に奏者がクレジットされており、全ての楽器が分かります。僕が持っている楽器と言えば、ギター等そこらへんの軽音楽部の高校生が持っているものとさほど変わらないので、Logicのプリセット音源と持っている楽器を駆使して音を作ります。
 以下の楽器がクレジットされています。これらをLogicで出来るだけ再現します。この複雑なアレンジはどんな楽器で出来ているのか見てみましょう。

■Drums
読んで字の如し。ドラムでございます。スネアとバスドラムが聴こえます。
Hal Blaineのドラムは音の美しさに定評があります。Logicでは、Seventies Kitを使用します。
Hal Blaine


■Temple Blocks, Cups
随所で鳴っているポコポコ聞こえるものがおそらくTemple Blocks、間奏でさらに高い音で鳴っているのがCupsでしょうか。一体どんなものを叩いているのかわからなかったので検索してみたところ、音から想像した通り、木製のポコポコ鳴りそうなものが並んでいる楽器でした。Logicのパーカッションの中に似たような音があったのでそれを使用します。

Temple Blocksの演奏動画

■String Bass
アコースティックベースの方です。全編に渡って低音を支えています。指で弾いて演奏しているようです。
LogicではStudio Upright Bassを使用。



■Electric Bass
メロディアスで印象的なエレクトリックベースの方です。ミュートされてギターのような音になっています。LogicのPuncy Muted Bassを使用し、ギターアンプのプラグインを挿しました。これで多少は音が近づいたと思います。

■Guitars
じゃんじゃか弾いているギター。家にある YAMAHA L-5を使用。エレキギターも入っているという噂がありますが、僕の耳には聞こえませぬ……。最終的に消したのか、他の楽器に埋もれているのかも不明。

■Tack Piano
Tack Pianoは弦とハンマーの間に鋲付きのシートを挟んで音色に変化を持たせたピアノです。Logicでは、Before Talkiesというホンキートンクピアノに近い音を採用。


明るく陽気なピアノを弾くのに適しています。
西部劇なんかが思い浮かびます。

■Harpsichord
チェンバロとも呼ばれる昔の楽器。冒頭からコード弾きをしています。クラシックではバロック音楽なんかによく使用されます。
Logicでは、Harpsichord - Dynamicを使用。Space Designerでリバーブを強めにかけます。

Harpsichord
ピアノと白黒が逆なのが印象的ですね。


■Electro-Theremin
テルミン。こんなレア楽器はLogicにありません。Clara Rockmoreという有名なテルミン奏者がいて、アルバム持っています。おもちゃみたいなテルミン買いましたが、まともに演奏できず、本棚に眠っています。
ということで、生演奏で録音できないので、MIDIで録音できないかなぁ〜と検索してみたら似たような音をES2で作っている方がいて、そこからもらってきました。本物とは少し違いますが、良い雰囲気を出していますのでこれを使用。
こちらにダウンロードリンクがあります。
http://www.logicprohelp.com/forum/viewtopic.php?t=36339

Theremin
独特の哀愁ある音色がします。
Pianoとの相性が良く、PianoとThereminの演奏は多く聞かれます。


■Bass Harmonica
これまた珍しい楽器です。ハーモニカアンサンブル等で使用される、低い音の出るハーモニカ。Logicにはなぜかハーモニカ関連の音が一切ありません……。なぜなのでしょう。
かなり悩みました。持っている普通のハーモニカをPitch Shifterで低音にしてみましたが、音がわけわからなくなって論外。低音のトロンボーンでごまかそうか。これも雰囲気が出ず却下。
Pet Soundsの音を作るのにバスハーモニカの存在はかなり大きいようです。テルミンのように音を作っている人いないかなぁ、と探すも見つからず。
この楽器が入っていると知ってしまった今、これがないと何か物足りない気がしてなりません。
じゃあ買うか、と思って調べてみるとどれも高い。五万円ほどから高いものだと十万円超えまで。一万円くらいでTOMBOが出しているPocket Bassなるものを発見しましたが、使いたい音が出ない。困り果ててヤフオクを覗いてみたら、TOMBOのOctave Bassを発見!一万円也。
口につけて演奏するハーモニカの中古ってちょっと気持ち悪いなぁと思いましたが、背に腹はかえられぬ、ということで入札しました。こんな楽器欲しがる人いないようで、僕だけが入札して落札w 当初の価格のまま一万円也。届いてみて驚いたのが、デカイw
重量1kg。ハーモニカクリーナーとアルコールで丹念に掃除して、早速吹いてみました。
重厚な音がして気持ちいい……。かなりいい感じです! Octave Bassという名前の通り、オクターブで音がなります。これを録音に使います。



大きい方が、TOMBO No.1142R Octave Bass
普通のブルースハープと比べるとそのでかさがわかります。



上段がC♯、下段がCのキーになっています。
これですべての音階が吹けるという仕組みですね。
バスハーモニカは吸って音を出すことはなく、すべて吹音になっています。

■Piccolo
いまいちどこで鳴っているのか聞こえませんが、おそらくI Guess I Just〜の手前のクラリネットのユニゾンの高い音と同じ音を吹いていると思われます。LogicのPiccolo Flute Legatoを使用します。

■Clarinets
■Bass Clarinets
この曲ではクラリネットもかなり重要な役割を担っています。クラリネットは低音も含め、Clarinet Section Legatoを使用します。全音域カバーしているので使い勝手がいいですね。

Clarinetのカルテット。右から二人目の方が吹いているのはBass Clarinet。
木管楽器ならではの暖かみのある音色がします。

■Vocals
例によって僕は一人で作りますので、全部僕の声を使います。


 ロック・ポップスでは見慣れない楽器が多いですね。ロックやポップスらしいのギター、ベース、ドラムくらいです。他はオーケストラの編成のようです。さらにテルミンというなんのジャンルにも属さない楽器が入っています。不思議な編成です。これが重なり合ってあの綺麗な曲になるのだから驚きですね。

つづく

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